PX-435Aの69インク(IC4CL69)は、さらにインク容量が減らされました。
年々、盛り上がりがなくなっていくプリンター商戦ですが、今年はさらに感心が薄いようです。消費者もだんだん賢くなってきたんでしょうか?というか、プリントする必要があまりなくなってきましたよね。FAXも仕事以外で使う事は全くないし。
当サイトもまた改名が必要かもしれませんね。候補としては、
「カラーマネジメント放浪記」 これはどこかの連載で使ってるからダメですね。
「スマートフォンMNP乞食放浪記」 これも、プロの方にはかないません。だいたい、ちっとも儲かってないし、一括0円で喜んでる程度です。というわけで、しばらくは、改名なしでいきますか。
さてさて、前回70インクを取り上げましたが、今回は顔料インクの69インクです。これはもう、メーカーのページに書かれた印刷コストの数字からして、コストアップしています。ごまかしようがありません。では、どの程度アップしたのかを計算してみましょう。
69インクの印刷コスト
PX-434A(62インク)
約24.1円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-045A
約26.8円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-435A
約28.3円(L判・写真用紙〈光沢〉)
ここから、紙代(旧基準5円、新基準4.5円)をそれぞれ引くと、
PX-434A(62インク)
約19.1円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-045A
約22.3円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-435A
約23.8円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-434A(62インク)とPX-045Aは、ノズル数がいっしょです。ゆえにインクコストの差がそのままインク容量の差と考えてもいいでしょう。
19.1/22.3=0.856
62インクより約15%インクが減らされたみたいですね。PX-435Aはノズル数が多いので、さらにコスト高になるようです。
実売価格でのコスト
コスト計算上は、69インクが950円、62インクが1050円ですが、実売価格はこうはいきません。ほぼ最安値をつけているNTT-Xの価格で計算してみます。
IC4CL62 3,142円 一個当り785.5円
IC4CL69 3,255円 一個当り813.75円
これを元に再計算すると、
PX-434A
約14.3円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-045A
約18.3円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-435A
約19.6円(L判・写真用紙〈光沢〉)
とまあ、実売価格では全体にコストは下がるものの、PX-435Aは昨年のPX-434Aの1.37倍のコストアップになってしまいます。
メーカーの印刷コスト計算は連続印刷で行いますから、かなり条件のいい結果です。たまにしかプリントしない使い方では、コストは倍になったと感じるかもしれませんね。ついでに過去の機種とも比較しようと思って、過去機種の情報をメーカーのページで拾おうとしましたが、過去の機種は印刷コストの表示を削除する方針のようで、あまり拾えませんでした。
過去機種との比較
PX-501A(46インク)
約21.4円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-502A(56、46インク)
約24.6円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-503A(61、62インク)
約25.4円(L判・写真用紙〈光沢〉)
PX-435A
約28.3円(L判・写真用紙〈光沢〉)
これらのコストデータも、まもなくホームページから削除されるでしょう。階段を上がるように確実にコストアップしていますね。
普通紙印刷のコスト
PX-435Aなどは家庭用プリンター扱いです。家庭用プリンターでは写真L版プリントのコストしか表示されないので、普通紙の印刷コストがわかりませんね。そこで、同じインクを使っている、ビジネスインクジェットプリンターで比較してみましょう。PX-435Aは顔料インクのプリンターなので、普通紙印刷が一番多い用途だと思います。
PX-205(61、62インク)
約9.1円(A4カラー文書)、約2.6円(A4モノクロ文書)
PX-105(69インク、黒は69Lの増量タイプ)
約13.1円(A4カラー文書)、約4.3円(A4モノクロ文書
どうですか、恐ろしい数字ですよね。
モノクロ印刷では、増量タイプの69Lインクを使っても、61インクの1.65倍。
カラー印刷でも、62インクの1.44倍のコストアップです。測定方法は変わっていません。
ビジネスインクジェットプリンターにはむかない69インク
この69インクですが、家庭用ならまだしも、一応ビジネスインクジェットと名前をつけた、PX-105、PX-505F、PX-535Fにも使われています。あっという間にインクがなくなりますので要注意です。
最近、スマートフォンがマイブームだったので、あちこち安売情報などチェックしてました。MNPを繰り返して利益を出す方々は、一般の携帯電話長期契約者を「養分」と呼びます。長期契約者が支払う利用料を原資に、MNPする人へのキャッシュバックが行われるからです。
純正69インクを使うユーザー様は、エプソンにとって、かなりの養分様かもしれませんね。養分にならないためには、昨年発売の型落ち&投売りプリンターを買って、互換インクで使い倒す事です。
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というわけで、上のアマゾンへのリンクで、プリンターをご購入のお客さまは、当サイトの養分様になりますので、ご注意ください。まあ、でも、最近のアマゾンはプリンター、純正インクともに、最安値に近いです。インク一個から送料無料はありがたいですね。
10月3日 インク容量がわかりました
海外サイトの情報によると、PX-105の海外モデルWorkForce WF-2010Wのインクカートリッジの容量が記載されています。
小容量タイプが
K 5.4ml
CMY 3.1ml
大容量タイプ
K 12.9ml
CMY 6.5ml
日本にあてはめると、
ブラック
ICBK69L 12.9ml
ICBK69 5.4ml
カラー
ICC69 6.5ml
ICM69 6.5ml
ICY69 6.5ml
こんな感じです。ブラックは62インクより27%、カラーは62インクより約12%減量。大容量ブラックは、61インクの半分しか入ってません。実際のところは国内販売のインクを計量しないとわかりませんが、まあ同じようなもんでしょう。全くエコからは遠ざかる一方です。