COLORMUNKIで遊ぼう。プリンター編その1
COLORMUNKIで作成できるプリンターのプロファイルの精度はどんなもんでしょう。簡単に試した限りはEZCOLORよりはよさそうです。でも、測色する色が100パッチですから、無理もあります。結論から言えば、4色プリンターなら必要充分。8色とかの多色インクプリンターで、発色にクセのあるのは手なずけるのは、なかなか難しい。
COLORMUNKIで作られるプロファイルは33の3乗で35937ものLUTポイントを持っていますが、100色程度のパッチではスキマだらけです。データのないところは、これまでのノウハウで埋めてるんでしょうけどね。クセのあるプリンターの代表格である、PRO9500のプロファイルを作成してみました。
マクベスチャートもどきを作る
マクベスカラーチェッカーの公表された色データを使って24色チャートの印刷用画像を作りました。しかし、この色データ、ひとつではなくて探すと複数あります。色もわずかに違います。どれが正しいのかわかりませんが、とあるリファレンスファイルから拾いました。

このチャートをCOLORMUNKIで作成したプロファイルを用いてプリント。そしてプリントされたチャートをカラーモンキーで測色し、Labデータをもとにモニターで再現します。それがこれ。この画像を、キャリブレートされたモニターで見ると、さすがにプリントされたチャートと本当にそっくりです。当たりまえですけどね。さすが分光光度計。左下の白は紙色を拾っていますから、合いません。

このままでは、上の元画像と違いがわかりにくいですね。そこで、マクベスチャートもどきの画像を丸く抜き、実際のプリントを測色したものと重ねました。i1 Profilerの穴あきチャートのもろパクリです。これだとほんと色の違いがよくわかります。

淡い色は全体に明るいですね。色味はあってますけど。グレーも明るい。赤やオレンジ系はピッタリ。このなかから、色の合ってなさそうな5色(ピンクのマークをつけたもの)を選び、プロファイルの最適化をしました。カラーモンキーデザインは、一度に5色の最適化ができます。フォトでは自動抽出ですが、デザインは自分で特定の色を選びます。
このようなパッチをプリントします。肉眼では違いがわからないぐらいの5段階のパッチです。それにしてもパッチがデカすぎる。紙とインクがもったいない。とりあえず、A5に縮小印刷しました。全然OKです。

最適化したプロファイルでプリントしたものを測色。

ちゃんと色が近づきました。が、やや明るい傾向もまだあります。周囲の色もわずかに影響を受けていますが、かなり限定的です。カラーモンキーデザインの場合は、コーポレートカラーなどをパッケージで使うといった、特色の再現に重点が置かれているのかもしれません。
グレーのスポットカラーは要注意
グレーも1色だけ最適化してみたのですが、まだ明るいですね。それに他のグレーも影響をうけてません。気になったのでCOLORDARKROOMで開いてみると、こんなになってました。これでは階調に段差が出来てしまいますね。問題ありです。
基本パッチにも10色ぐらいグレーが入っていて、そこそこ正確なグレーバランスが出ていますから、DESIGNではグレーはいじらないほうがいいかも。
PHOTOとDESIGNのプロファイル最適化の違い。
PHOTOは画像データを解析して色を抽出し、プロファイル全体に変更を加える。精度はよくはなるものの機械まかせ。対して、DESIGNは自分で色を選ぶ。一度に5色しか選択できないものの確実に意図した色の精度を上げられる点では、DESIGNが玄人ごのみではある。完全ではないけれど、24色チャートに関しては、1度の最適化で、そこそこ色相は合いました。
でも、最適化でも残ってしまった明暗の差は、どうしようもありません。同じ色をさらに最適化しても、無駄なだけだし。キャノンのプリンターは、データより明るくプリントされる傾向(性格)があるので、こうなってしまうのもしれない。しかし、カラーモンキーで出来るのはここまでですね。
そこで、COLORDARKROOMでプロファイルの出力側のカーブを補正します。グレーでは最大RGB値が20ぐらい明るく出力されてしまうので、逆に-20ぐらい暗くしてみました。これで、グレーは濃く出てくれるでしょうけど、他の色にどれだけ影響がでてしまうやら。ここまでやるなら、画像データに調整レイヤーあてたほうが簡単でいいでしょうね。
と、ここでインク切れです。PRO9500さんしばらくお休みになります。今度はPX-A720にバトンタッチです。
普通紙のプリンタープロファイル
PX-A720を純正インクに変えて、普通紙のプロファイルを作ってみました。結果はまあ、EZCOLORよりはいいですね。あたり前ですけど。左下の白が紙色ですが、普通紙ってかなり暗いもんなんですね。やはり全体に彩度不足にはなります。それでもよくがんばってます。

最適化もやってみましたが、ほとんど変わりませんでした。それでも最適化は無駄ではなく、校正設定でチャートなんかを確認すると、色のつながりのおかしいところが修正されています。
たぶん私だけだと思うのですが、錯視で気分が悪くなりました。
RGB最適化チャートにいたっては、縦スクロールすると横にウニョウニョ動いて見えて面白い(?)ですね。
コメント by とろや — 2011年8月6日 @ 10:00 AM
それは災難でしたね。マクベスチャートはプリンターでも再現できる程度の色で、彩度は控えめなんですけど。モニターは何をお使いですか?
コメント by junky — 2011年8月7日 @ 11:00 AM