COLORMUNKIで遊ぼう。モニター編その1
もう発売されて3年ぐらい経ってますから、レビューなんていくらでもありますけど、せっかく手にはいったのでいじくりたおしてみましょう。制限された機能をいかに補うかが、楽しんで使うポイントではないかと思います。
RGBゲイン調整が出来ない欠点を補う。
i1 Display2のように、プレキャリブレーション工程がないので、RGBゲイン調整がそのままでは出来ません。そこで、ガンマカーブを表示できるユーティリティソフトを使います。X-RITEで配布されているキャリブレーションLUTテスターです。
Calibration LUT Tester (キャリブレーション LUT テスター)

COLORMUNKIでキャリブレーションしたら、これでプロファイルのガンマカーブを見ます。RGBがバラバラだったら、勘でRGBゲインを調整して再キャリブレーション。3回ぐらい繰り返すと、かなりまっすぐになります。一度まっすぐに出来れば、あとはたまにチェックするだけで済みます。まあ、完全にまっすぐ(255でのRGB値がすべて同じ)には出来ない事も、右の数字を見ればわかります。でもそれは、モンキーに限ったことではありません。i1 Display2やi1 Proでも同じ事です。
ガモットを確認
色域表示を確認するには、プロファイルメーカーのデモ版を使います。プロファイルエディターでプロファイルの表示が可能です。L=25の時にきれいな三角形になります。デモ版だとプロファイルの比較ができないので、スクリーンショットをフォトショップにコピペして、レイヤーで重ねます。まあ、メンドクサイですけどね。

白色点の数値を確認
ICC Profile Inspecterを使います。白色点の意味がよくわかりませんけどね。コピーライトとかの編集もできます。

3D表示でプロファイルを確認
WIN COLOR
windowsのユーティリティです。モニターやプリンターのプロファイルを3D表示して確認、比較ができます。その他プロファイルの切り替え、削除、インストールも出来ます。

これらのユーティリティーを使えば、まあ手間はかかるけど、i1 Matchと同じ事ができます。でも、検証だけは出来ませんね。ハードウエアキャリブレーションに対応したモニターなら、専用ソフトが使えるので、そちらがいいでしょう。マックならOSに最初から組み込まれているので、これらは必要ありません。全くWINDOWSは厄介です。
輝度ムラの測定
カラーモンキーでモニターのキャリブレーション中に、詳細モードでは輝度測定と調整があります。この時は全画面が白色表示になります。この時、無理やりモンキー本体を動かせば、モニターの任意の場所の輝度の数値を知る事が出来ます。真ん中で輝度80cdに合わせても、端っこを測ってみると、、、。結構がっかりしますよ。そうでなくても、すこしズレるだけでも数値は動きます。
ということは、モニターのキャリブレーションは、精度を求めるなら、毎回ミリ単位でディスプレイの同じ位置を測る必要があるわけです。センサーは直径1センチ以下しかありませんからね。海外にはセンサーをぶら下げるヒモがメモリつきのメジャーになってるbasICColor Discusがありますが、ただのジョークかと思ったけど、ちゃんと意味があったんですね。でも、そこまでするなら、左右の位置もあわせないとね。
不満なところ
やはり、モニターにぶら下げた時の安定の悪さ。ひもの重りの重量が微妙、もうちょい重いといいのに。思考錯誤の末、ヒモのチャックを最後まで閉めないで、1.5センチぐらい開けて吊るすようにすると安定がよくなりました。
精度
これまではEZCOLORで目視キャリブでした。それでも慣れてくると、まあまあな感はありましたが、なんとなく合っている状態から、カラーモンキーのおかげで、しっかり合っているところまで来た気はします。しかし、正直なところ、モニターをキャリブレーションしたところで、これまでと大きな違いを感じるわけではありません。中古ですけどT966とかL567とかを使ってきた性でしょう。得られたのは精度そのものよりも、安心感のほうが大きいかもしれません。
はじめまして。
Colormunkiはソフトの出来が良くないという話をよく聞きます。RGBゲイン調整ができないが出来ないのが最大の欠点でしたが、それが見事に解決されました!
i1 proを購入しようと思っていましたが、キャリブレーションLUTテスターでガンマカーブを表示させることが出来そうなので、Colormunkiで良いかな。とても参考になりました!!
色々とまたご教示ください。
コメント by しんたろう — 2011年9月16日 @ 5:55 PM
現在のi1 proと、今月発売のi1 Display proでも、ゲイン調整は省略されてしまいましたから、どれを買っても不便にかわりないんですけどね。ハードキャリブ対応モニターとそれに付属するソフトはよくできてます。まずはモニターに投資したほうがいいような気もします。
コメント by junky — 2011年9月16日 @ 10:10 PM
もっともなアドバイス、ありがとうございました。最近DellのU2711を買ったばかりなので、こいつが壊れたらハードキャリができる良いモニターを購入することとします。
ところでご紹介いただいたLUTテスターは、マルチモニターで各々のモニターに対しプロファイルを作成した際、各プロファイルのガンマカーブを個別に表示させることは可能ですか?
要はjunkyさんにお教えいただいた上述の方法で、マルチモニターのRGBゲインを追い込んでいきたいと目論んでいます。
コメント by しんたろう — 2011年10月4日 @ 11:36 PM
うーん。未だデスクトップはxpなんでマルチモニターでプロファイル適応できないのでわかりません。でも、wincolorでモニターとプロファイルの切り替えが出来ますから、なんとかなると思います。
正確にゲイン調整したかったら、DispcalGUIがいいですよ。途中のゲイン調整までで止める事もできますから。
コメント by junky — 2011年10月5日 @ 9:34 AM
はじめまして。
しんたろうさん同様、カラーモンキーのゲイン調整について検索していてたどり着きました。
さっそく今まで使用していたプロファイルをCalibration LUT Testerで確認したところ、RGBバラバラ…特にBの乖離が大きいです。
5年使用のeizo S2410W ですので無理からぬことです。プロファイルを当てないとグレーが琥珀がかります。。。
とりあえず、255でのRGB値を近似させるよう各ゲインを調整(RとGを下げる)して3本のラインをそれなりにまとめてみました。
ですがラインは直線とはならず、下の方で上方に膨らんでから、ほぼ直線で255に向かう感じです。
キャリブレーション時の白色点は6500Kに設定して行ったのですが、この手法によりゲイン調整を行う場合、ひょっとして固有の白色点を選択するのが正解なのでしょうか?
カラーマネジメントについて無知ゆえ、おかしな質問かもしれませんが御教示頂けると幸いです。
コメント by ジョニー — 2011年11月1日 @ 9:45 AM
ゲイン調整の目的は、画像データのロスを少なくする為ではないかと思います。例えば、ゲイン調整せずにプロファイルを作成し、Bだけグラフ右側で127になったとします。そうするとBの階調はプロファイルの変換によって255から127に圧縮されてディスプレイに渡されるので、Bが50でも51でも同じ色になってしまうわけです。
Calibration LUT Testerのグラフがきれいな直線にならなくても、気にする必要はありません。そこそこ高価なモニターの新品の状態であれば、ほぼ直線を描くでしょうが、経年劣化とともに崩れてきます。現在の液晶パネルの状態を把握するために利用すると考えたほうがいいと思います。
コメント by junky — 2011年11月2日 @ 9:48 AM
御回答ありがとうございます。
なるほど。
ということは、他のCMSソフトに見られるゲイン調整機能とは、つまるところターゲットとなる白色点にモニタの白を最初に近似させることで、階調の損失を最低限に留める為の機能という理解します。
ただ一つ腑に落ちないのは、だとすれば、なぜcolormunki添付のソフトに白色点の選択項目があるのでしょう?最初のゲイン調整なしでどうやって指定したD50やD65の「白」を実現するのか不思議に思いました。。
自分自身、なにかアホな勘違いをしているような気がしていますが..
コメント by ジョニー — 2011年11月2日 @ 5:55 PM
ソフトウエアキャリブレーションは、グラフィックボードの色調整機能(ガンマ補正?)を利用して、Colormunkiなどで作成したプロファイル(補正値)を読み込ませ、モニターに正確な色を再現させようとするものです。
もちろん、補正は少ないほうが精度があがるため、前工程としてゲイン調整(モニター側での調整)をしますが、別にやらなくてもプロファイルは作成できます。D50と指定してやれば、精度のいい分光光度計のモンキーさんが基準となって、色を近似色に置き換えるプロファイルが出来上がります。
コメント by junky — 2011年11月8日 @ 9:53 AM