2006年9月3日

スキャナーの速度比較その2 フィルムスキャン

性懲りもなく、その2のページまで作ってしまった。誰のためにというよりただただ自分の好奇心のために。

フィルムスキャンが目的で、今回スキャナを買い足したわけではないが、せっかくフィルムスキャン機能がついているのだから、あれこれ試してみる。
過去のフィルムを引っ張り出してみると、ブローニーのポジや白黒ネガが数枚出てきた。もちろん自分で撮影したものでなく、もらいものだ。
せっかくなので、スキャンしてプリントしてみた。補正は必要なもののかなりきれいに出力できた。
困ったのは、35ミリネガフィルム。これは一筋縄ではいかない。
スキャナー側では補正をかけずに、PHOTOSHOPで補正し、どうしてもボケ気味にプリントされるので、シャープをかけると、かなり改善された。
一番の問題は、35ミリネガフィルムは、現像と同時にプリントも頼んでしまうものなので、どうしても写真とプリンター出力を見比べる事になる。写真をお手本にして、印刷結果をこれに近づけようと無駄な努力をしてしまう。色味が違っても作品としてきれいにプリント出来ればよしと納得する方が懸命だ。

さて、ひと遊びしたところで、フィルムスキャンの速度比較。といっても実測できるのは2台しかない。

35ミリネガフィルム1コマを読み取る速度を計測した。
スキャンボタンを押して、スキャン終了し、ヘッドが戻り始めるまで。
ついでにフィルムと同サイズの反射原稿でも計測し、カタログデータから算出した、35ミリを読み取る時間とも比較した。
補正やゴミ取りなどのオプションはすべてはずしている。

補正やゴミ取りなどのオプションはすべてはずしている。

  800dpi 1200dpi 1600dpi 2400dpi 3200dpi 4800dpi
キャノン8400FV 35ミリネガフィルム 25秒   68秒   117秒  
同サイズ反射原稿 6秒   29秒   64秒  
カタログから算出     23.8秒   47.6秒  
エプソンGT-F600 35ミリネガフィルム 45秒 50秒 75秒 88秒   3分10秒
同サイズ反射原稿   26秒   44秒   2分4秒
カタログから算出           111秒

カタログの表示が、13.8msec/line(4800dpi)ならば、35ミリ読み取るのには、91.3秒と推測できる。
しかし実際のフィルム読み取り速度はそれよりかなり遅い。カタログの数値は反射原稿のものなのだろう。
カタログと比べると2~3倍遅い。これにゴミ取りとか加えたらさらに遅くなる。

現行機種のカタログデータを、計算上並べてみた。

カタログデータから高解像度で35ミリ読み取る速度を計算した。
エプソンは、夏に新型が出揃い、キャノンも丁度9月発売の発表があったので、新型のデータも加える事が出来た。

カタログから予想される長さ35ミリの原稿の読み取り速度

  1200dpi 1600dpi 2400dpi 3200dpi 4800dpi
キャノン8600F     22.8秒   91.3秒
4400F     25.4秒   97.9秒
LiDE600F モノクロ、グレー     37.7秒   75.4秒
カラー     113.4秒   227秒
キャノン9950F     36.4秒   72.7秒
8400FV   23.8秒   47.6秒  
5400F 11.7秒   68.5秒    
LiDE500FV モノクロ、グレー 8.26秒   22.8秒    
カラー 17.1秒   68.5秒    
エプソンX900         81秒
X750         111秒
F700         142秒
F650       64.3秒  
F570       63.9秒  
X800         81秒
F600         111秒

キャノンのホームページには、新製品のフィルムスキャンの速度データが掲載されている。
その数字とカタログデータを比較してみると、

8600F 91.3秒(カタログから推測) → 3分22秒(実際の発表) 約2.3倍。
4400F 97.9秒 → 3分44秒 約2.3倍。
LiDE600F 227秒 → 6分34秒 1.7倍。
というわけで、カタログデータと実測はやはりかなり違うので、おおよその参考程度にしかならない。

基本的に解像度は4800dpiで、横並びっぽくなってきた。

フィルムスキャンでは、用途をより考える必要がある。
35ミリであれば、L判プリントなら、1200~1600dpiで充分。2Lなら、2400dpi。
A4まで拡大するなら、3200dpi、A3なら4800dpiも必要かもしれないが、そこまで拡大しても35ミリネガフィルムではボヤケてしまう。

手軽にプリントして楽しむなら、4800dpiで高速な高級機でなく、よく使う1200~2400dpi程度でそこそこ早ければいいだろう。
その点では、今度のキャノンの8600Fと4400Fは、2400dpiがかなり高速になっているので、使いやすいだろう。

また、3200dpiを多用する使い方をする場合は8400FVしかない。新型投入で価格が下がってきたら狙い目かも。
白黒オンリーだったら、LiDEも速いがカラーは3倍遅い。

エプソンでは、速度的にはあまり進歩はないようだ。薄型化を図ったF700やF650では、かえって少し遅くなっている。
X750あるいは、価格のこなれたX800やF600の在庫品の方がおすすめかも。

今回の新製品群を見ても、フラットベットスキャナーは2年前あたりから、速度ではそれほど際立った進歩が見られない感じもする。
その中で特に目立つのは、CISスキャナの高解像度化とスピードアップ。それと、最低価格ライン(1万円前後)のスキャナのスペックアップ。

フィルムスキャンの高速化の工夫

フィルムスキャンは未だに、とても時間がかかる。時間がかかるから、セットしたら放っておく。それならば、時間がかかっても6コマより12コマ、さらに24コマ一度に出来たほうが楽だ。ただ、24コマ出来るのは、最高級機だけ。
そして、24コマ一度にスキャンするわけでなく、24回のスキャンを繰り返すだけなので、決して抜群に速いわけではない。
12コマセット出来るスキャナが15分に一回フィルムを取り替えるとするなら、
24コマセット出来るスキャナは25分に一回で済むぐらいかもしれない。
現状では、このようにながらスキャン(なにか他の事をしながら、フィルムスキャンする。)しか手がない。

それならば、いっそのこと、2年落ちぐらいの機種をキャノンとエプソンで揃えて、同時スキャンというのはどうか。
ちょっと試してみたが、キャノンとキャノンでは、scangearが競合して同時にスキャン出来ないが、EPSON SCANとSCANGEARであれば、同時に立ち上げて何事もないように、普通に同時スキャンできる。しかもスピードは、なぜか遅くならない。
ただ、機種が違うと色味がかなり変わるので、補正はめんどくさいだろう。メーカーが違えばなおさらだ。

ちょっとだけ、12コマ連続スキャンも計測してみた。

8400FV 1600dpi 補正なし 12コマで14分38秒。 1枚あたり平均73秒かかり、1枚だけのスキャンより、5秒余計にかかる。

仕方のないことなのだが、フィルムスキャンでは同時にスキャンできるわけでなく、12回スキャンを繰り返す。
フィルム1コマのスキャンごとに、ヘッドが原点まで戻り、また次のコマへの移動をするので、余計に時間がかかる。

F600  1200dpi 補正なし 12コマで11分50秒。 1枚あたり平均59秒かかり、1枚だけより、9秒余計にかかる。
F600  2400dpi 補正なし 12コマで21分15秒。 1枚あたり平均106秒かかり、1枚だけより、18秒余計にかかる。

以外とばかに出来ないこのヘッドの移動時間。キャノンの方が全体に素早いようだ。

それにしても、せっかくフィルムは2列に並んでいるのだから、並んでいる2コマずつスキャン出来てもよさそうなもの。

キャノン8400FVにはなくてエプソンのスキャナーだけに出来る事がある。
それは、任意の位置で任意の大きさの画像の取り込み枠を50個まで指定できる事だ。
そしてこの設定は保存ができる。

やり方は簡単。
フィルムを2列セットして、サムネイルでなく、通常表示でプレビューする。
プレビューウインドウで、横に並んだ2コマを、一つの取り込み枠で囲む。
ズームで拡大して、微妙な位置合わせをする。
取り込み枠を複製し、次の2コマを選択。
これを繰り返して、12コマを6つの取り込み枠で囲む。
この設定を保存してから、スキャン。

GT-F600では、1200dpiで6分10秒と、ほぼ半分の時間で12コマ(2コマ入り画像が6つ)をスキャン出来た。
問題点は、プラスチックのフィルムホルダーも画像として取り込んでしまうので、自動色補正が機能しなくなる事。
スキャナーでの色補正はなしにする必要がある。補正をPHOTOSHOPですべてやる人には便利なやり方だが素人向きではない。
PHOTOSHOPのアクション機能などをうまく使えば、補正、トリミング、1コマずつに分ける作業なども、さほど時間はかからないだろう。

2コマずつのスキャンでは、1200dpiで14M、2400dpiで56M、4800dpiで220Mと、現在のパソコンスペックなら、なんとかなるファイルの大きさだ。

いっそのこと、1200dpi程度なら、12コマまとめて取り込み枠でかこんでスキャンしてもいいかもしれない。

こうすれば、画像ファイルは90M程度になり、スキャン時間は3分20秒程度で済む。
PHOTOSHOPのアクションと組み合わせて、補正、コマ分割をしても、せいぜいプラス3分程度。
大量のネガのデジタル化が目的で、プリントしてもせいぜいL判程度でよければ、いいやり方かも。

このやり方なら、キャノンでも出来る。8400FVで1600dpiで12コマをすべて取り込み枠ひとつで選択しスキャンすると時間は3分で済む。
ファイルは160M程度。これをPHOTOSHOPのアクション機能を使って1コマずつに分割保存するのに30秒。さらにレベル調整や彩度、コントラスト、シャープネスなどを組み合わせたアクションで一括調整に約1分。ここまでやっても、時間は半分以下で済む。

さらに、スキャン作業は、スキャンソフトを使ってバックグラウンドで行えば、保存した画像から順にPHOTOSHOPでアクションをかけられるので、実質3分のスキャン時間だけで、スキャナまかせよりも高画質な12コマのネガスキャンが出来ることになる。

ポジやモノクロではあまり感じないが、35ミリカラーネガでは、スキャナーの自動補正に頼るより、PHOTOSHOPでの補正の方が断然印刷結果がよくなる。
つまり、どっちにしろ補正が必要なのだから、スキャン時間は短く済んだほうがありがたい。
スキャナーでの補正はなしにして、12コマまとめて1画像として取り込み、浮いた時間を補正やレタッチ、トリミングに使う方が有効ではないだろうか。

ともあれ、仮に、24コマフィルムを10本デジタル化するのに、

8400FVで、スキャナまかせで1600dpiで取り込むと、約5時間。
2度とやらない作業と割り切れば出来るだろうが、この間ずっと15分ごとにフィルムをセットしなくてはならない。
一括取り込み+PHOTOSHOPアクションを使えば、計算上は1時間半ぐらいで、可能なはずだがいかがなものか。(2006/09)

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