2015年5月1日

Radiforceでハードウエアキャリブレーション?

Radiforce RS210を中古で購入し、i1 Profilerにてキャリブレーションしましたが、不思議な事になってしまいました。とりあえず、ソフトウエアキャリブレーションとハードウエアキャリブレーションの違いについておさらいしつつやりますか。以下のグラフはすべて、CUSTOMモードにて色温度5000K、輝度80cdを目標にキャリブレーションした結果です。

その1 完全なる?ソフトウエアキャリブレーション

モニターの調整を全くしないで、いきなりキャリブレーションソフトまかせでICCプロファイルを作成。これは、ノートパソコンとかモニター一体型デスクトップで液晶のキャリブレーションを行う場合。しかし、大抵は画面の明るさはファンクションキーなどで調整できるので、輝度調整は可能である。

輝度調整すらしなかった場合は、目標輝度よりモニターが明るい場合、無理やり明るさを抑えるために右側のRGB値がすべて下がり、かなり階調が失われる。RS210をオールリセットすると、色温度7500K、輝度100%なので、このままプロファイルを作成すればこうなります。

ここから、輝度調整のみした場合は、右上の角にRGBのどれかひとつ揃います。RS210を輝度調整のみした場合はこのようになる。

その2 中間的ソフトウエアキャリブレーション

中級モニター以上?であれば、色温度の項目があるが、あまりあてにならないので、ゲイン調整を行う事になる。ゲイン調整ができるのが中級以上ということか?まあ、一般的には、i1Display Proを買ったらこの方法でキャリブレーションするはず。ゲイン調整をすれば、ガンマカーブの右上の角にRGBが3つともほぼ揃う。カーブ全体にばらつきがないほど、工場出荷時によく調整された素性のよいモニターという事になる。RS210はというと、左下に乱れがありますね。もともと7500k、150cdを基準に調整されているモニターですからね。

最近では3万円程度のモニターでもよく調整されていますから、あまりガンマカーブが暴れているのを見かけなくなりましたね。

その3 ハードウエアキャリブレーション?

ハードウエアキャリブレーションの場合は、キャリブレーションによって、モニター内部の情報を書き換えます。逆に、コンピュータ側のビデオカードの出力はいじりません。ですから、ガンマカーブのRGB補正値はすべて一致、つまり一直線になります。これは計測した結果ではなく仕様です。だからハードウエアキャリブレーションでガンマカーブが完璧に真直ぐだからと感動するのはただの勘違いなのです。以上を踏まえて以下のグラフをどうぞ。

RadiforceとパソコンをUSBで接続し、i1ProfilerのADCを有効にしてキャリブレーションすると、ADCによって、輝度、色温度(ゲイン)が自動調整されます。その結果のグラフがこれです。

見た目に真直ぐというだけでなく、RGB値すべてが全く同じです。このような事はソフトウエアキャリブレーションではありえません。では、i1 Profilerでハードキャリブに成功したのでしょうか?

EIZOに問い合わせたところ

「ハードキャリブ出来るのは、ColorNavigator等の自社ソフトだけです。 i1 ProfilerはX-riteに問い合わせを。」

X-riteに問い合わせたところ

「i1 Profilerはソフトキャリブです。ADCは手動でやっていた、輝度、ゲインなどを自動化しただけです。補正カーブが真直ぐ(無補正)になるのはありえない事ではない。」

というわけで、両者ともソフトキャリブという答えでした。しかしまだ疑問も残ります。

EIZOがX-riteにSDK(ソフトウエア開発キット)を提供済み

カラーエッジシリーズはADCに対応しているので、輝度、ゲインの自動調整はできるようです。ただ、SDKが輝度、ゲインなどの単純なコントロールに限っての内容なのか、ハードキャリブまで含めたモニターのコントロール全般の命令セットまで含まれているのかで違ってきます。後者であればi1Profilerでハードキャリブができても不思議ではないわけです。

モニター側の反応がColorNavigatorの時とよく似ている

CG241WをColorNavigatorでキャリブレーションすると、モニターは自動でCALモードに切り替わり、OSDでモニター調整は出来なくなります。RS210も同様にADCで調整すると、モニターが操作ロック中となり、ロック解除しないとOSDを操作できません。ロック解除すれば輝度コントロールはできるようになるものの、カラーリセットするまでゲインはロックがかかったままです。

そもそも、i1 Profilerが勝手にモニターをロックしてしまう事自体、ADCの範疇を越えていますよね。

ADCとUSB

ColorEdgeでADCを有効にするには、パソコンとモニターをUSB接続する必要があります。ColorNavigatorと同様です。ここ以外と見落としがちです。i1Profilerも結構いいかげんで、ADCにチェック入れてUSB接続しない状態でも、あるいはADCに対応していないモニターでも、エラーにならずにそのままプロファイルを作成しちゃったり、逆にフリーズする時もあります。

ADCとDDC/CI

DDC/CIは、ディスプレイケーブルを使ってパソコンからモニターを調整する規格です。ADC(オートディスプレイコントロール)はX-riteのi1 Profilerでキャリブレーション時に、モニター側が対応していれば自動でモニターの輝度、ゲインなどを調整してくれます。この時に、DDC/CIを使ってディスプレイケーブル経由で調整するのか、ColorEdgeシリーズのようにUSBケーブルで調整するのかはモニターやメーカーごとに違うわけです。ややこしいですね。

ADCはうまく機能しない事が多いようで、解説ページにも、エラーになる場合はADCをオフにして、モニターのOSDでDDCをオフにするようになどと書かれています。

その4 ハードキャリブ後にソフトキャリブ

検証として、その3のハードウエアキャリブレーション?後に、USBケーブルを外し、ADCをオフにしてキャリブレーションしてみます。モニターはロックかかったままです。さて、結果は?

かなりまっすぐですね。注目するところはやはり、その2と比べると、かなり結果がよくなっている点です。これだけ見るとやはりその3はハードキャリブなのでは?という気もするんですよね。もひとつ気になるのは、コントラスト比です。これもあまりあてにはならないけれど、その2で約1000:1、その3で約500:1、その4で約400:1とかなり下がります。最大輝度は変わらないはずなので、最低ゲインが変更された可能性もあります。

うーん、結局よくわからないままですが、やっぱりバグなんでしょうか?

使用する分には、その2、その3、その4どのプロファイルでもほぼ違いは感じませんが、グレースケールがきれいな無補正カーブのその3で今後使う事になるでしょう。

まあ、操作にクセはるけれど、画面は見やすいし、とてもよいモニターである事には変わりなく、調整のコツもわかったので、5年ぐらいは現役バリバリで活躍してもらいましょう。15,000時間まで使うとしたら10年使えますけどね。

ナナオのモニター使っているなら、ScreenManager Pro for LCDでUSB接続対応機種かチェックしましよう。USB対応であるなら1度モニターにUSBケーブル繋げてADCを有効にしてキャリブレーションしてみましょう。もしかしたら同じ事が起きるかもしれません。

EIZOダイレクト

CG241Wで同じ現象が起きるか試したところ、ColorNavigator 6とi1 Profilerを両方インストールした状態で、Colornavigator 6でハードキャリブした後に、i1 ProfilerでADC機能を使うと、その3が再現できました。

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