2010年1月15日

PRO9500の不思議というかプリンタドライバーに見るキャノンの商魂。

3年も経つとハイエンドプリンターだってジャンクになって出回る時代。
PRO9500のジャンクがソフマップに何台も出てましたが昨年末に5,000円程度までさがったので、ポチりました。ちょっとだけ期待してたけど、インクはついてなかったです。でも美品でした。
インク一式1万オーバーですからジャンクにそこまで金かけるのもためらいましたが、まあがんばってインクも買いました。簡単にヘッドを掃除して、インクをセットして、ヘッドクリーニング2回できれいにノズルも復活しました。あっけなかったです。

顔料インクジェットにこだわってあれこれやってきましたが、これでメーカー3社制覇したので、プリンタ遊びもきっとこれでおしまいです。

たぶん。

さて、試せる限りの設定であれこれプリントしてみました。

それにしてもプリントの遅い事といったら。いまどきのプリンタと逆行してますね。
なぜPRO9500がここまで遅いかというと、プリンタヘッドがとてもゆっくりと動くからです。
原因はたぶん黒インク。黒インクは紙への定着が遅く、ヘッドが早すぎるとドットが点でなく線のように、やや流れて紙に定着します。これが影の部分などでは水たまりのようにくっつきあってベタッとした不自然なプリントになってしまいます。これを防いでいるのではと推測してます。

光沢紙プリント

傷つきやすいのは減点ですが、画質は特に問題なし。絹目ぐらいなら触っても大丈夫か。

普通紙プリント

特に問題はないが、色がおかしい。原色のような派手な色が地味になるのは仕方ないが、低彩度の色がおかしい。茶色が赤っぽくなり、全体に赤みがつく感じ。なぜかファインアートのプロファイルをあてるといい具合になった。

マット紙プリント

色はやや薄い印象だが素直な発色。だが問題あり。それは、普通紙プリントよりも黒が黒くないのだ。濃度やコントラストを調整してもだめ。

ハガキサイズのプリント

キャノンは用紙とサイズの組み合わせで選べないものがあるが、ハガキサイズのプリントでは妙なことになっている。
サイズでハガキを選び、用紙ではがきを選ぶと、とんでもなく薄いプリントになってしまう。重なったときにインクがつかないようにするため?
用紙が普通紙では警告がでる。無理やりプリントするとやや薄いプリントで黒もグレーっぽい。
用紙でインクジェットハガキを選ぶと、マット紙と同じく黒がややグレーっぽい。

結果、ハガキサイズで満足できるプリントを得るためには、
ユーザー定義サイズで100×148を指定。用紙は普通紙を選択することで濃い黒が出るので宛名もこれでOK。さらにフォトラグなどのファインアートのプロファイルを指定し、ドライバー補正はなし。これで発色が素直になる。実際に使う紙は普通紙でもインクジェット紙でもOK。

ファインアート紙

なぜマット紙で思うようなプリントができないのか疑問に思いつつ、ファインアート紙を試してみた。
ファインアート紙はとても高価な紙だが、たまたまリサイクル屋で見かけて買っておいたものがあったのだ。
Museum EtchingのA4サイズのもの。10枚入りで500円でした。
高価な紙なのに、PRO9500では前後35ミリもプリントできない余白を強要される。
ぶつぶついいながら、一枚だけ試し刷り。

これは、、、、!

高コントラストと高彩度に加え、とても強い黒が出た。
なんじゃこりゃあである。白とび黒つびれが激しいプロファイルではあるが、とても強い印象のプリントができる。さっきまでのマット紙での不満はなくなったが、素朴な疑問。なんでここまでできるのにマット紙ではだめなの?

というわけで、用紙の種類はファインアートで実際のプリントはマット紙でプリントしてみると、同様の強いプリントができた。
原因は紙ではなくプリンタドライバーであった。
つまり、光沢のない紙での最高画質(最高濃度?)を得るためには、ドライバーでファインアート紙(しかも自社の紙のみ)を選ばなければならない。用紙端35ミリプリントできないという制約も常につきまとう。連続給紙もできないし、プリントはとても遅い、まさにのんびりとお金と時間をかけて作品作りを楽しむためのプリンターである。本体とインクだけでは赤字なので紙まで含めて利益を出そうというキャノンの商魂がうかがえる。

しかし、設定を強要されたり、レイアウトの自由をうばわれるというのは、気持ちのいいものでない。厚紙の真ん中を用紙サイズに切り抜いて、そこにプリント用紙をセットし、テープで仮止めすれば、前面給紙でプリントはできるだろう。でも一枚ずつセットしなければならず面倒くさい。

フォトブラックとマットブラックの入れ替え

そこで考えたのが、フォトブラックとマットブラックを入れ替えて、光沢紙設定でマット紙や普通紙をプリントする方法だ。こうすれば、マット紙や普通紙に仕掛けられたインク濃度の制限と、アート紙のレイアウトの制限を回避できる。
ファインアート紙の画質でフチナシL版プリントだってできるはず。

黒インク2色を抜き取って、マイナスドライバーでICチップをはずして交換し、間違えないようにセットする。交換動作をしたので、ヘッドクリーニングもおこなわれたのだろう。ノズルチェックもOK。プリントすると完璧にインクは入れ替わっていた。とても簡単である。

普通紙を絹目設定でプリントしてみた。もともとマットブラックだったから黒濃度は変わらず、彩度はアップ。色味が赤くなる。おおきなメリットはなし。
続いてマット紙を絹目設定でプリント。予想どおりに彩度、黒濃度ともにアップ。だが黒はわずかにアート紙に及ばない。ほんのすこしだけどなにかが違う。まあ充分黒いとは思うけど。アート紙設定のときは1ドット幅の黒い細線がわずかに太くなるのをルーペでは確認できた。インクの重ね打ちをやっているのだろうか。

インクの入れ替えはカラーバランスさえとれれば悪くない方法だが、キャノンのプリンタードライバーでの色調整でうまくいくだろうか。なんとなく煮え切らないで終わってしまったが、とりあえずここまで。また暇があったら画像でもアップします。
プリンタドライバーの実解像度は600dpiでキャノンの他機種とたぶん同じ。実際のプリントは300dpiのデータでやるといいでしょう。フチナシプリントでも用紙端部の乱れもないし、目視では画像の乱れはわからない。ヘッドは擦りやすい。

3年落ちのプリンターのレビューなんかしてもしょうがないのだけど、まあ、これも趣味だから。

5月30日

その後、EZCOLORでプロファイルを作成してプリントしたりも試した。
色見が素直になるのでプロファイルを使うメリットはもちろんあるが、プロファイルを用いたとしてもPRO9500に仕掛けられた制限は変えられない。

上にも書いたけど、プリンタードライバーで用紙の種類ごとにかけられた制限。
ひとつは、カラーインク。
普通紙、マット紙、光沢紙、自社アート紙の順に、カラーインクがたくさん使われ、彩度があがる。
同じ赤でも、普通紙では淡い赤、マット紙ではさっぱりした赤、光沢紙ではほどよい赤、アート紙ではどぎついほどの赤になる。
もちろんこれには理由がある。紙がインクに対応していないのにたくさんインクをのせてしまうと色が濁って汚くなったり、にじんだりする。とはいうものの、エプソンなどと比べるとちょっと極端すぎる差の付け方だ。

もうひとつは、黒インク。
普通紙はマットブラック、マット紙と光沢紙はフォトブラック、自社アート紙はマットブラックとフォトブラックの重ね打ち。
キャノンのMSDSで見る限り、PRO9500のマットブラックは、A4機のテキスト用顔料ブラックと同じもののようだ。
この顔黒には、乾きにくい、こすると落ちやすいという欠点がある。だから、繊維の荒い普通紙には使えてもマット紙には使えないと判断したのだろう。しかし、アート紙にフォトブラックではグレーっぽくてしまらず間抜けなので、ブラックを2回使ってインクを定着させるアイデアを採用したのだろう。結果、浮いて見えるほど強い黒が得られた。これは狙って出した黒ではなく、試行錯誤の副産物なのかもしれない。

というわけで、PRO9500は、紙で性格のかわるプリンターなのである。
マット紙なら淡い色が得意な、おとなしいプリンター。
光沢紙なら、明るく素直なプリンター。
アート紙なら、じゃじゃ馬だがはまるとスゴイプリンター。

このじゃじゃ馬に惚れた方々は湯水のごとくアート紙とインクにお金を使う。
ご愁傷さまです。

個人的には、ブラックを入れ替え光沢紙設定でマット紙、アート紙(薄めの)にプリントするのが一番使いやすい気がします。もちろん、プロファイルは自作で。印刷領域の制限がなく使えるしね。

2013年1月 アマゾンでPGI-2インクが安い

さてPRO9500ですが、たまには使ってます。でも、インクが切れるとしばらく放置です。使ってる人が少ないから、安いインクを見つけるのが大変です。このところ、最低限必要なだけアマゾンで購入しています。


Canon インクタンク PGI-2M マゼンタ

新品価格
¥863から

普通は1,050円ぐらいですから、送料込みで一個からこの値段は、ありがたいです。

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