2012年9月6日

IC6CL70L、エプソンのEP-805A用新70インクのランニングコストは?

エプソンの新型インクジェットプリンターEP-805Aが発表されましたが、多くの方が気にするのはランニングコストだと思います。

新基準

印刷コスト算定表示のところに、小さく新基準とあります。つまり、過去のコストデータと、今回のコストデータでは、測定方法が違っているということらしい。

昨年とインクが同じ50インクで再販されるEP-705Aを比べてみると、

EP-704A

IC6CL50インク使用時:約19.6円(L判・写真用紙〈光沢〉)
IC6CL51インク使用時:約29.9円(L判・写真用紙〈光沢〉)

EP-705A

50番インク使用時:約21.9円(L判・写真用紙〈光沢〉)
51番インク使用時:約29.4円(L判・写真用紙〈光沢〉)

おかしいですね、同じインクを使っているのに、50インクではコストが上がり、51インク(小容量)では逆に、コストが下がっています。ここで、昨年との条件の違いを見てみると、

印刷速度およびコスト測定データ|エプソン

これが今年の印刷条件で、昨年のはすでにありません。そこでグーグルキャッシュを見ると、なんとか残ってました。

昨年と今年のインクコスト算出方法の違い

両者を比較すると、インク価格は同じでしたが、用紙コストが違います。

昨年  写真用紙〈光沢〉L判400枚入り 1,990円(4.975円/枚)
今年  写真用紙〈光沢〉L判500枚入り 2,250円(4.5円/枚)

用紙コストは今年の方が、一枚約0.5円下がってますね。用紙コストを差し引いてインクコストを出してみると。

EP-704A

IC6CL50インク使用時のインクコスト:約14.6円(L判・写真用紙〈光沢〉)
IC6CL51インク使用時のインクコスト:約24.9円(L判・写真用紙〈光沢〉)

EP-705A

50番インク使用時:約17.4円(L判・写真用紙〈光沢〉)
51番インク使用時:約24.9円(L判・写真用紙〈光沢〉)

これは明らかにおかしいですね。というか完全にどれかの数字が間違ってます。少量51インクを使った場合のコストは昨年と全く同じなのに、50インクを使うと昨年より、2.8円(約20%)もコストがあがるそうです。新型のEP-805Aより印刷コストを高く見せようという意図がありありです。

印刷コスト算出に使われる画像データも、
写真イールドチャートJBMS-78-2006から
写真イールドチャート ISO/IEC29103に変更されたようです。

要は、国内規格から、国際規格へ変更したということです。詳細は、

家庭⽤インクジェットプリンターの印刷コスト表⽰に関するガイドライン第2版

まあ、平均的な濃度の画像を選択するでしょうから、こちらの誤差はわずかとは思います。もし、画像変更の性で、EP-705Aの50インクでのコストが上がったのなら、51インクのコストもいっしょに上がらなければおかしい。

EP-805Aの70インクの印刷コストは?

さて、前置きが長くなってしまいましたが、70インクはどうなんでしょう。比較の為EP-804Aと並べてみます。

EP-805A

70L番インク使用時:約20.8円(L判・写真用紙〈光沢〉)
70番インク使用時:約26.7円(L判・写真用紙〈光沢〉)

EP-804A

IC6CL50インク使用時:約20.8円(L判・写真用紙〈光沢〉)
IC6CL51インク使用時:約26.7円(L判・写真用紙〈光沢〉)

小数点以下まで全く同じですね、驚きました。ここまでやるかって感じです。あくまで印刷コストはアップしないと消費者に思い込ませたいようです。ここから、用紙コストを差し引くと、

EP-805A

70L番インク使用時のインクコスト:約16.3円(L判・写真用紙〈光沢〉)
70番インク使用時のインクコスト:約22.2円(L判・写真用紙〈光沢〉)

EP-804A

IC6CL50インク使用時のインクコスト:約15.8円(L判・写真用紙〈光沢〉)
IC6CL51インク使用時のインクコスト:約21.7円(L判・写真用紙〈光沢〉)

となり、やっぱりインクコストは上昇しているのがわかりますが、小差ですね。オンキャリッジに変更したのだから、もう少しコストがあがるはずなんですが。

ここでもうひとつの奥の手登場です。エプソンはインクカートリッジの価格を下げたんです。

コスト計算に使用するインクカートリッジ一個の価格

50インク  1,050円
70Lインク 990円

これはあくまで、エプソンダイレクトの販売価格ですから、実売価格も安くなるとは限らないのがミソですね。参考までに50インクと70Lインクが同じ1,050円だったとすると、EP-805Aの70L番インク使用時のインクコストは、
約16.3円→17.3円にアップします。
17.3/15.8=1.094となって、

インクの市場価格が同じになった場合は、約1割コストアップとなります。

小容量インクとのコスト差

もうひとつ気になるのは、小容量の70インクと51インクでは、70インクのほうが、コストが安くなっているという事です。さらに深く?考察していきましょう。小容量インクを使った場合のコストアップは、各機種以下のようになります。

EP-704A 1.705倍 
EP-705A 1.431倍
EP-804A 1.362倍
EP-805A 1.373倍

EP-704Aの1.705倍は妥当な感じがします。インク交換の度にクリーニングが起きますからね。オフキャリッジのEP-804Aが1.362倍というのもうなずけるのですが、新型のEP-805Aが1.373倍というのは不思議ですね。EP-704Aよりノズル数が2倍あるから、コスト差はより広がるはずです。

という事は、70インクはインク容量がアップしたのでしょうか?

70インクは全色同容量に

以下推測ですが、たぶんこういう事ではないでしょうか?これまで50インクは、CMYKが7.4ml、LC、LMが11.1mlと、色によって内容量を変えていました。これを、全色同容量にしたのでしょう。まあ、それ以前に戻しただけなんですけど。気前がいいようですが、逆に製造コストは単純化されて下がるはずです。そしてCMYKのみ増量することで、計算上のインクコストは下げる事ができます。

アマゾンで検証してみる

インクも販売前ですから、手に取る事ができません。そこで、アマゾンの登場です。商品パッケージの重量からインク容量を予測するという、世界初の試みです。

※発送重量は、かなりあいまいな数字という事がわかりましたので、以下は参考程度に。実際に計測する機会があったら、またご報告します。

EPSON インクカートリッジ IC6CL70L 6色セット  発送重量: 177 g
EPSON インクカートリッジ IC6CL70 6色セット   発送重量: 154 g

どちらのパッケージも、箱、ビニール袋、インクカートリッジは同じ物で、インク容量だけが違うハズです。たぶん。

177-154=23g
23/6=3.8g

というわけで、70Lと70インクの容量の差は、約3.8gとなります。50インクの大小の容量差は11.1/7.4=1.5倍ですから、同じ差があると仮定し計算すると、

70Lインク  11.4g
70インク   7.6g

どうでしょうか?当らずとも遠からずってとこかな?ついでに50インクも同じ計算をしてみます。

EPSON インクカートリッジ(6色セット) IC6CL50  発送重量  181g
EPSON 純正インクカートリッジ IC6CL51 6色パック  発送重量  168g

181-168=13g

たった13gしか差がないですね。以前の記事から割り出してみると、

LM、LCは11.1-7.4=3.7
CMYKは 7.4-5.5=1.9
3.7×2+1.9×4=15g

うーん2g違うなあ。まあ、50インクより70インクは、大と小の容量差が大きい事だけは確かなようです。

と、勝手な推測ばかりしてきました。正解は9月20日を過ぎればわかるはずですが、インクを買う予定はありませんので、どなたかプリンター買ったら教えてくださいな。

実使用時の印刷コスト

結局これが一番大事なんですが、プリンターの使用状況によって全く変わってきますから、一概には言えません。印刷コストを計測する為にプリントする人なんていませんからね。感覚としては、あれ、以前よりちょっとだけインク減るの早いかなあ、ぐらいかもしれませんね。

構造が変わって簡略化されたカートリッジ

Amazonでは、商品画像を大きく拡大できます。詳細に見てみると、70インクと50インクとはかなり違いがあります。全体の形が長方形に変わった他、ICチップが側面から斜めにカットした下面に移動。そして、インクが間違った所に刺さらないようについていたキー溝もなくしました。さらに、これまではなかったキャップがついています。キャップが必要になったということは、これまでの弁構造をやめたということになります。

このカートリッジ、どこかで見たような?そう、キャノンのカートリッジにとてもよく似ています。内部構造もかなり簡略化されているのではないでしょうか。余計にセンサーをつけて、ICチップで残量検知するというややこしいシステムも止めたようですね。インク認識不良の元でしたから。

ふむふむ、必要ないけど、小容量インクを一個だけ買って分解してみようかなあ。内部構造が気になるところです。

9月11日 追加情報

EP-805Aの体験イベントをブロガーが記事にしています。とりあえず画像に直リンク。

プリンターヘッド

キャノン同様、インク差込口がメッシュになっています。ICチップのピンは、相変わらず9ピン。気になるのは、二の字の隙間。これは、インク残量の光学検知用?

カートリッジ

やはり、何かセンサーがついているようです。

内部構造

紙送りの経路がわかります。改善されていますが、紙を最初に引き込む角度が、垂直になってますね。ちょっと心配です。A4をセットしても給紙トレーは飛びださないようですが。

10月3日 インク容量が判明

EP-905Fの海外モデル、XP-850のインクカートリッジをドイツのサイトで見つけました。日本の70インクにあたるものです。

24インク(小容量) 70インク相当

K 5.1ml
CMY、LC、LM 4.6ml

24XL(大容量) 70Lインク相当

K 10ml
CMY 8.7ml
LM、LC 9.8ml(8.7mlというサイトもある。)

50インクに比べ、70LインクはCMYKは7.4mlから増量、LM、LCは11.1mlから減量されていますね。全色同量というのはハズレましたが、それに近いですね。にしても、エプソンはほんと細かく容量を変えますね。日本の70Lインクがドイツのものと全く同じか、違うのかは実測しないとわかりません。どなたか教えてくださいな。

2015年11月 インクを買うぐらいならプリンターを買おう

記事投稿から3年、インクは80インクとなり値上げされ80Lタイプで6色セットで6,000円します。対して発売から1年が過ぎたEP-707Aは7,500円程度です。家庭用プリンターに画質の向上はもうありません。EP-707Aで充分です。プリンターの耐久性も落ちてますから、3年使ったら安いタイミングで買い替えが吉です。


EPSON インクジェット複合機 Colorio EP-707A 無線 スマートフォンプリント Wi-Fi Direct

新品価格
¥7550から

いつまでも在庫の終わらないMG6730

激安のエプソンEP-707Aに対抗してなのか、キャノンの旧機種MG6730の在庫がなかなか終わりません。黒に限りますがアマゾンで8,800円です。


Canon キヤノンインクジェット複合機 PIXUSMG6730BK ブラック

新品価格
¥8,820から

こっちもグレーインク搭載で上位機種と印刷性能は同じです。こちらはおそらく年内には在庫がなくなるのでキャノンがいい方はお早めにどうぞ。

2件のコメント »

  1. 最近精力的に記事を書かれてますね。
    大と小の容量差についてなのですが
    以前読んだダイコーの詰め替えインク開発日記によると
    IC50の濃色カートリッジは内部にプラスチックを多く使って
    内容量を調節してあったような記憶なので
    カートリッジのみの重量が容量によって異なるのではないでしょうか。

    コメント by プリキッチャン — 2012年9月6日 @ 11:39 PM

  2. ダイコーさんの記事は読んことがあります。そうかもしれませんね。
    手持ちのインクで計算してみましたが、発送重量では、やはり誤差がおおきいみたいです。実測しないとわかりませんね。記事訂正しなきゃ。

    コメント by junky — 2012年9月7日 @ 10:26 AM

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