2011年12月8日

EPSON EP-301のプリンタープロファイル作成。

ジャンクなEP-301を入手しましたので、プロファイルを作成してみます。
本体840円。純正50インク1セット、525円。クリスピアA4、20枚、840円。値段はべつにいいか。

とりあえずモンキー純正にて。かなりいい感じですが、左上の茶がやや青ざめて、あとは中間から暗めのグレーがかなり緑がかってしまいました。5色の最適化もやってみたけど、グレーはやや改善された程度。他はほぼ完璧なので惜しいところです。まあ、モノクロプリント以外ならほとんど気にはならないでしょう。四角が画像データ、丸はカラーモンキーでの実測値。

エプソン純正プロファイルでもプリントして測色してみました。キャノンと違い、エプソンは純正プロファイルでもそこそこいい感じです。でも、あくまで汎用です。クリスピアも写真用紙もプロファイルの中身は全く同じです。要するに用紙ごとにちゃんと作ってないんです。人肌対策なのか明るいグレーはマゼンダ寄り。暗めのグレーはやはりグリーンに転びます。全体に彩度、コントラスト高め。万人受けするようにちょっと手を加えているのでしょう。

そして、ArgyllCMSでも作成しました。836色ではA4で4枚もクリスピアが必要なので、ケチって418色にしました。そこそこいい感じのが出来たんですが、やはり、中間から暗部のグレーが緑に、うーん。

そこで今度は、グレーパッチを追加しました。

targen -v -d2 -G -g128 -f418 filename

これで、グレーパッチ128色を追加した418色のターゲットが出来ます。その代わり、他の色は減ります。

しかし、これでもグレーのグリーン被りは残りました。モンキーで測色した限りでは、上の画像のように、バッチリなんですが、自分の目ではどうしても緑っぽく見えてしまう。いくつかテスト画像をプリントしましたが、そこそこいいものの、全体に青被りしたようになってしまいます。うーん困った困った。原因を探ってみました。

インクのオーバーフロー

黒に近いグレーで、黒インクを使わないトーンでは、シアン、マゼンダ、イエローを重ねてグレーを作ります。6色染料では、さらにライトシアン、ライトマゼンダが加わります。その結果、紙に対してインク量(水分量)が多くなりすぎて滲みが起こります。特にマゼンダが紙の内部に沈んでいくので、どうしてもシアンやイエローが強くなり、調整不可能なグリーンかぶりになります。
界面活性剤などの悪影響もあり、この滲みは時間とともにゆっくりと進行します。一年前にプリントした猫の目なんか、充血しちゃってます。

エプソンの染料インクは確かに耐久性は高いのですが、この点はなかなか改善されません。暗部表現ではかえって4色インクのPM-D600のほうが、この現象が起きにくいので優れています。

蛍光増白剤の影響

クリスピアは蛍光増白剤の多い紙のようです。カラーモンキーはUVフィルター付きなので、純正ソフトではその点対策済みのはずなのですが、それでも充分ではないのかもしれません。そしてArgyllCMSでは、未だ純正ソフトのような補正がカラーモンキーでは出来ていないようです(i1 proでは対策済み)。無彩色に近い色が全体に青く被るのはその性かもしれません。アップデートも熱心にされているようなので、やがて改善されることを期待しましょう。

マット紙はOK

エプソン純正マット紙でもArgyllCMSでプロファイルを作成しました。この紙も蛍光増白剤は入っていますが、結果は良好で青被りもわずかでした。マット紙に関しては、純正プロファイルもよく出来ていて、紺系統の色以外はほぼいっしょです。しかし、PX-A720で試したところ、顔料インクのほうがさらにマッチングは良好で、今回試した中ではベストでした。

プラスお手軽光沢紙

安い用紙でも試してみました。この紙は光沢紙としては薄く、純正紙のようにマゼンダが沈みません。作成したプロファイルは青みがからずにナチュラルでいい感じです。ただ、紙の性能の限界で、やや彩度不足。黒がいまいち締まりません。でも、この紙も蛍光増白剤が入っているのに、なぜ青被りしないのか不思議です。紙表面の素材の違いの性だろうか。

結局よくわからない!?

ArgyllCMS+COLORMUNKIでなんでもバッチリといけばよかったんですけど、紙とインクの組み合わせで、青被り(blue cast)が出たり、出なかったり。これまでのところ、

一番うまくいく組み合わせは、非光沢紙、蛍光増白剤少ない、顔料インク
一番悪い組み合わせはこの逆、光沢紙、蛍光増白剤多い、紙が青い、染料インク

これらの結果から、マット紙や、蛍光増白剤の入っていない、バライタ、アート紙なんかはCOLORMUNKI+ArgyllCMSと相性がよさそうです。

やっかいな蛍光増白剤

上のカラーチャートの左下の紙白部分。これが青く計測されるのは、UVフィルターが働いているからです。UVフィルターはセンサーではなく光源についてます。カラーモンキーはLEDランプですから、紫外線をカットした光を印刷物にあてて、反射光を測定します。こうする事で、蛍光増白剤(紫外線を吸収して、可視光を放出する。)の影響を除外した測定ができます。

要するに、クリスピアは本当はとても青い紙だけれど、蛍光増白剤のおかげで、輝くようなとても白い紙に見えているという事です。

紫外線のない環境はありえない

印刷物を鑑賞するのは人間の目であり、室内でも屋外でもギャラリーでも、紫外線のない環境で印刷物を見るという事はありえません。測定はUVカットでやるにしても、最後は人間の目に合わせたプリンタープロファイルの補正が必要になります。蛍光増白剤(OBA)の補正(OBC)が出来るのは、現行製品では、i1 iSis アイワンアイシス自動測定器をi1 Publishで使う場合のみです。50万円出さないとOBCが出来ないなんて、どうなってるんでしょうね。まあ、そこまでやる必要があるのは印刷業界ぐらいなんでしょうが。

しかも、そのやり方が原始的です。いくつかのグレーチャートを出力して、自分の目でもっともナチュラルなグレーを選び、補正データを作るという、とても人間まかせな手法です。もっとも、人間の目に合わせるとはこういう事なのかもしれませんけどね。

ArgyllCMSの場合は、パラメータ -f を使う事で、i1 Pro UVフィルターなしであればOBCが出来ます。つまり、i1 Basic Pro(約10万円)だけで出来ちゃうわけです。すごい!!

やはり欲しいプロファイルのマニュアル調整

以前使っていた、EZCOLORではスキャナーを利用するため、精度が今ひとつでしたが、その代わりに調整機能がありました。測定器やソフトウエアの精度が充分であれば、プロファイルをマニュアルで調整する必要はないような気もします。でも、もうちょっとなんとかしたいと感じる時があります。

プロファイルのエディット機能は、以前のi1にはあったようですけど、現在のi1 Profilerにはありません。プリンタードライバーでの色調整のような感じで、プロファイルを多少いじくれると便利だと思うのですが。現在、そんな事ができるのは、、、Spyder3 Print SRだけだったりします。個人レベルであれば、これで充分なのかもしれません。

一週間後

だらだら記事をまとめているいるうちに一週間過ぎてしまいました。チャートを再計測してみると、かなり色が変化してました。想像以上です。沈んだマゼンダが復活したり、シアンは沈み込んでやや明るくなる傾向。やはり染料インクは難しい。カラーモンキーの第二チャートは第一チャートの測色データを元に作るというクソな仕様なのと、途中でデータをセーブできないため、一週間の色の変化をプロファイルに反映させるには、2週間もコンピュータの電源を落とせないという事になります。COLORMUNKIの純正ソフトは染料プリンター向きではありませんね。

四角が一週間後の色、丸の中が印刷から一日後の色。

あれこれ遊んでいるうちに、さすが50インク。どんどん減っていきます。インク終わったらどうしよう。久しぶりに顔料プリンター化でもしてみようかなあ。

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